亀屋良長

亀屋良長の菓子見本帖小噺

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お菓子の小噺

烏羽玉

お茶花のヒオウギは、夏に花を開いた後、袋状の実を結びその中には漆黒の種子が入っています。
濡れて光り、見る者を魅了するこの実を「ぬばたま」と呼びます。

【ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く】

上記の万葉の和歌に見られるように「ぬばたま」というのは、黒・夜・夢にかかる枕詞で、
「ぬば」という語は「黒い~」の最も古い言葉とされています。
当店の烏羽玉(うばたま)も転訛してその名がつけられたものです。

弊社には、明治時代の烏羽玉の配合帳が残っています。
今より大きく、砂糖の割合も多いです。
長年作り続けてきた烏羽玉。
その大きさ、味、見た目は時代の変化に応じて少しずつ変わってきています。

現在の姿は、つややかなまん丸の餡玉に、けしの実が装飾されている意匠。
これ以上ないシンプルで美しいデザインではないでしょうか。


烏羽玉CACAO

2017年の年末に、Dandelion chocolate の堀淵さんをご紹介いただきました。
翌年に京都一念坂店を開店されるとのことで、京菓子とのコラボ商品が生まれました。
代表銘菓の「烏羽玉」とタンザニア産チョコレートを合わせました。
波照間島産の黒糖の風味とカカオのバランス、また、あんこ感をどこまで残すかのバランスをとるのが難しかったですが、ダンデライオンさんのチョコレートは、とても香り高く、洋酒を入れたかのような芳醇な香りのよい一品になったと思います。

スライスようかん〈小倉バター〉

スライスチーズならぬ、スライスようかん。
餡がジャムのように瓶に入ったものはよく見かけるようになってきましたが、
餡は冷えると固くなって少々塗りにくい。
「めんどくさい」から始まったアイデアですが、今までありそうでなかった楽しいものになりました。

羊羹がクツクツと沸騰する程度にトーストすると、手軽に熱々のあんパンの出来上がりです。
沖縄の塩の効いたバター羊羹を一緒にすることで、より風味のある小倉バタートーストに。
たっぷりかかったケシの実も香ばしいです。
ぜひお試しくださいませ。

スライスようかん〈春のベリー〉

スライスチーズならぬ、スライスようかん。
「めんどくさい」から始まったアイデアで商品が思いがけず人気商品となりました。

今回は、「スライスようかん 小倉バター」の第4弾、「春のベリー」です。

スライスようかんの販売当初(2018年)は、小倉・さつまいも・ラズベリーの3種の羊羹が、各1枚ずつ入っているものでした。
お客様からは「小豆だけのはないの?」と聞くことが多かったです。

そこで、小豆のスライスようかんを定番で販売したのですが、一方でリニューアル後に「ラズベリーが1番お気に入りだったのに」というお声も多く寄せられ、いつか春の商品として展開したいな、と温めていたアイディアでした。
今回の発売にあたり、さらにおいしく開発し「春のべリー」味に生まれ変わりました。

小倉とベリー、どちらも味わえる贅沢な方が嬉しいので、半々で流し、2層になるように作りました。
バター羊羹も、焦がしバターを使用しよりミルキーになりました。

白あんにフレッシュないちごとラズベリーを合わせた甘酸っぱい「ベリー羊羹」と、大納言小豆を贅沢に使用した定番の「小倉羊羹」のふたつのおいしさをお愉しみください。

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